ネイリストの離職率が高いってホント?長く続けるためのポイントも解説

ネイリストの離職率は高い傾向にあり、入社後1年以内に辞める人も少なくありません。華やかな仕事にみえる一方で、収入や体力、人間関係、職場環境に悩むケースが多いのが実情です。今回は、ネイリストの離職率や主な離職理由、長く続けるためのポイントについて解説します。


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ネイリストの離職率はどれくらい?

ネイリストの離職率は非常に高く、ネイルサロンに就職した新卒のうち、約50~80%が入社から1年以内に辞めてしまうといわれています。つまり、10人が入社しても1年後には半数以上、場合によっては8人程度が職場を離れてしまう計算になります。

一般的な離職率と比べると、その深刻さがより鮮明になります。

厚生労働省が公表した令和4年度の新規学卒就職者の離職状況によると、短大等卒の就職後1年以内の離職率は17.9%、大卒では12.1%となっています。ネイリストの離職率がいかに突出して高いかがわかります。

華やかなイメージを持ってネイリストの道に進む方は少なくありませんが、実際に就職すると理想と現実のギャップを感じるケースが多いようです。

給与水準の低さや体力的な負担、人間関係の難しさなど、さまざまな要因が重なり、早期離職につながっていると考えられます。

出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します

ネイリストの主な離職理由

ネイリストの離職率が高い背景には、さまざまな要因が絡み合っています。収入・体力・メンタル・人間関係・職場環境の5つの観点から、それぞれ詳しくみていきましょう。

収入面の問題

離職理由として多くあげられるのが、収入面への不満です。厚生労働省職業情報提供サイト「job tag」によると、ネイリストの平均年収は353.9万円となっています。

日本全体の平均年収と比較すると低い水準にあり、特に働き始めの時期は収入が安定しにくい傾向があります。

サロンによっては、研修期間中はアルバイトと同程度の時給制で働くケースがあり、ボーナスや充実した福利厚生が整っている職場は多くありません。

技術を磨きながら収入がともなわない期間が続くことで、将来への不安を感じて辞めてしまうネイリストも少なくないようです。

また、ネイリストは施術に使う筆やニッパーなどの道具を自費で揃える必要があります。接客業であるため身だしなみにも気を遣わなければならず、美容代や衣服代といった出費も重なります。

収入が限られているなかで支出がかさむことが、離職の決断を後押しする一因にもなっています。

ネイリストの給料について詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。

ネイリストの給料はどれくらい?平均年収や収入UPの方法を解説

出典:job tag|厚生労働省「ネイリスト

体力面の問題

ネイリストの仕事は、見た目の華やかさとは裏腹に、体への負担が大きい職業でもあります。

施術中は椅子に座ったまま何時間も同じ姿勢を保ち続けなければならないため、腰痛や肩こり、目の疲労を感じやすい環境にあります。長く働くうちに腰や首を痛めてしまうネイリストもおり、身体的な消耗が積み重なることで離職につながるケースがあります。

爪という非常に小さなスペースに対して、ミスなく丁寧に施術するためには高い集中力が求められます。1件の施術が終わっても次のお客様の対応が続くため、集中力を切らさない状態が長時間続き、精神的な疲労も蓄積しやすくなります。

さらに、お客様の施術状況によっては、予定通りに休憩を取れないこともあります。サロンによっては、繁忙時に昼食の時間すら確保できないケースもあるようです。体力的に無理を重ねた結果、心身のバランスを崩して退職を選ぶネイリストもみられます。

メンタル面の問題

ネイリストの仕事は、高い技術と同時に接客スキルも求められます。1回の施術が2~3時間に及ぶことも多く、その間ずっとお客様との会話を続けなければならない場面も多くあります。

話題を絶やさず、相手に合わせたコミュニケーションを取り続けることは、決して簡単ではありません。

なかには「少し話しにくいお客様だ」「価値観が合わない」と感じることもあるでしょう。

しかし、どのようなタイプのお客様に対しても丁寧に接する接客スキルが必要であるため、感情をコントロールしながら業務を続ける必要があります。

加えて、施術に対して理不尽なクレームを受けることもあります。技術が未熟な新人時代ほど傷つきやすく、クレーム対応が続くと自信を失い、仕事への意欲が低下してしまうこともあります。

こうしたメンタル面への負荷が、離職の大きな要因のひとつです。

人間関係の問題

ネイルサロンは女性スタッフが大多数を占める職場です。そのため、女性同士の複雑な人間関係に悩むケースが生じやすく、これが離職理由としてあげられることも少なくありません。

研修制度が整備されていないサロンでは、先輩スタッフがOJT形式で後輩に仕事を教えることになります。

その結果、担当する先輩によって指導方針や教え方にばらつきが生じたり、上下関係が厳しくなったりするケースがあります。

毎日顔を合わせる職場だからこそ、人間関係のストレスは少しずつ積み重なりやすく、解消されないまま退職という選択に至る方もいます。

職場環境の問題

入社後しばらく経つと、サロンの方針と自分の考えにズレを感じるようになるケースがあります。

「やりたいデザインが自由に施術できない」「店長や先輩スタッフとの意見が噛み合わない」といった不満が積み重なり、話し合いを経ても折り合いがつかないまま退職を決意するネイリストもいます。

休日についても、職場によって大きな差があります。週休2日制を採用しているサロンがある一方で、月に6~8日程度の休日しか確保できないサロンも存在しており、プライベートの時間が取りにくいと感じる方もいます。

新人時代は勤務後の練習が必要なケースもあり、実態としての拘束時間がさらに長くなることもあります。

福利厚生の整備状況もサロンによって異なります。社会保険や育児支援、交通費支給といった待遇が充実しているのは主に大手サロンであり、個人経営のサロンでは福利厚生がほとんどないケースもあります。

将来的な生活設計を考えたとき、待遇面への不安が離職の引き金となることもあります。

ネイリストとして長く続ける方法

離職率が高いとはいえ、ネイリストはお客様の笑顔に直接触れられる、やりがいのある仕事です。辞めるかどうかを判断する前に、長く続けるための選択肢を知っておくことが大切です。

今のサロンで環境を変える努力をする

仕事に対して悩みや不満を感じたとき、すぐに転職を考える前に、まず現状を整理することをおすすめします。

転職によってすべての問題が解決するとは限らず、環境を変えても同じ悩みを繰り返してしまうケースもあるからです。

給与への不満、人間関係の摩擦、業務量の多さなど、不満の原因を具体的に書き出してみましょう。その上で、上司や先輩に相談できる悩みがないか、考え方や取り組み方を変えることで状況が改善できないかを改めて検討してみることが大切です。

今の職場でできることを試してから判断しても、遅くはありません。

他のネイルサロンへ転職する

現状を変えるための努力を重ねてもなお改善が見込めない場合は、転職を検討する選択肢もあります。ただし、同じような悩みを次の職場でも抱えないよう、転職活動には十分な準備が必要です。

まず、今の職場でどの点にもっとも悩んでいるのかを深く掘り下げてみましょう。人間関係なのか、収入なのか、休日の少なさなのか、原因を明確にすることで、次の職場に求める条件が整理できます。

希望条件を書き出したら、優先順位をつけておくと、求人を比較する際の判断基準になります。

転職先を探す際は、求人票を細かく確認することが重要です。給与体系や歩合・インセンティブ制度の有無、施術道具の材料費が自己負担かどうか、研修制度の内容、社会保険の加入状況などは、入社後のギャップを防ぐ上で特に確認しておきたいポイントです。

休日日数や福利厚生の内容も含め、条件面をしっかりと見極めることが、長く働ける職場を見つける近道になります。

自分のサロンを開業する

好きな時間に働きたい、収入を増やしたい、ライフスタイルに合わせた働き方をしたいと考えるなら、自分のサロンを開業するという選択肢もあります。

結婚や出産を機にサロン勤務を離れた方でも、固定客がついていれば、家事や育児と両立しながら自分のペースで仕事を続けることが可能です。

サロン勤務と異なり、売上がそのまま自分の収入に直結するため、努力が結果に表れやすい点もやりがいのひとつです。

上司や先輩との関係に悩まされることなく、自分の裁量で仕事を進められる環境は、精神的なゆとりにもつながります。

関連記事:フリーランスのネイリストになるには?必要な準備と成功のコツを紹介

ネイリストを育成する講師になる

お客様への施術から離れ、次世代のネイリストを育てる講師という道もあります。ネイルスクールや美容専門学校での講師職は、サロン勤務とは異なるやりがいを得られる選択肢です。

講師になるには、JNA認定講師資格の取得やスクールの採用試験など、クリアしなければならないハードルがあり、一定以上のスキルと実務経験が求められます。

容易な道ではありませんが、自身が積み上げてきた技術や経験を直接次の世代に伝えられる立場は、サロンワークとは異なる充実感を与えてくれるでしょう。

クレーム対応や長時間施術による身体的な負担が少ない点も、講師職を選ぶ理由のひとつになっています。

まとめ

ネイリストは離職率が高い職業といわれていますが、原因を整理し、自分に合った働き方を選ぶことで長く続けることは可能です。今の職場で改善できることを試したり、転職や開業、講師など別の道を検討したりしながら、無理なくキャリアを築いていきましょう。