エステティシャンの仕事内容は?施術の種類や就く方法について解説

将来エステティシャンを目指すなら、仕事の内容を詳しく知っておきましょう。美容に携わる華やかな仕事でも、エステティシャンの日常的な業務内容は多岐にわたります。今回は、エステティシャンの仕事内容や、エステティシャンとして働くにはどのような方法があるのかをご紹介します。


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エステティシャンの仕事内容


エステティシャンは、手や化粧品、機器を使ってお客様の肌や身体型を整える仕事です。華やかな仕事に見える一方で、お客様に快適なサービスを提供するための地道な作業もたくさんこなさなくてはいけません。

まずは、エステティシャンの1日の仕事内容をみていきましょう。

受付・会計

エステティシャンの仕事のひとつに、サロンに来店するお客様の受付業務があります。エステティシャンはサービス業なので、接客は重要な業務のひとつです。お客様からの電話対応は丁寧に、ネットの予約管理は正確に行う必要があります。

また、施術が終わってお客様が退店するときは、会計処理や次回の予約受付も行います。

カウンセリング

お客様の肌や身体の状態を確認し、悩みを聞いてカウンセリングをするのもエステティシャンの仕事です。

とくに、初めて来店するお客様に対しては肌や身体の状態、悩みを分析し、お客様に合わせて最適なメニューを提案する必要があります。また、安心して施術を受けてもらうために、料金や施術内容について丁寧な説明も欠かせません。

また、自宅での食事や運動といったホームケアについてもアドバイスし、お客様の理想の状態を手に入れるためのお手伝いをします。

施術

お客様に行う施術は、エステティシャンのメイン業務です。施術では主に手や美容機器、化粧品などを使って、お客様の肌や身体のケアを行います。

エステティシャンが施術を行うのは、全身のあらゆる部位です。フェイシャルケア、ボディケア、脱毛、痩身と種類が豊富なので、それぞれの技能を身につける必要があるでしょう。

2002年に総務省が定めた『日本標準産業分類』によると、エステティック業は『手技又や化粧品・機器等を用いて、人の肌や体形を整えるなどの指導又は施術を行う事業所』であると定義されています。

総務省の定義をふまえ、エステティシャン協会は以下の行為を禁止しました。

<エスティシャンが行えない業務>
・医師免許が必要な医学的判断・技術を必要とする行為
・医業類似行為
・美容師免許が必要なパーマや結髪などの行為
・理容師免許が必要な顔そりなどの行為

出典:「エステティックについて」(日本エステティック協会)

営業・販売・広告

お客様のニーズに合わせて化粧品などを販売したり、新しい施術の提案をしたりするのもエステティシャンの仕事です。そのため、商品やサービスを熟知し、購入に結びつくアドバイスをする営業スキルが求められます。

また、SNSによる発信やホームページの更新、管理なども行い、集客を働きかけます。新規顧客の獲得やリピートを促すのも、エステティシャンの仕事です。

清掃・在庫管理などの業務

お客様に美を提案するエステでは、常に清潔感のある空間をキープすることが大事です。お客様が帰ったあとには、サロン内の掃除、器具の消毒や片付け、衛生管理、使ったリネン類の洗濯などを欠かさず行います。

また、施術で使う備品やお客様に提案する化粧品が途切れないよう、在庫管理をする必要もあります。さらに新しい技術の導入や新規商品の発注も検討して、サービス向上を目指します。

施術によってエステティシャンの仕事内容は変わる

エステティシャンが行う施術の種類をみていきましょう。

部位や目的に応じて、用いる手法や機器、化粧品などが異なります。複数の施術をお客様に提供しているエステサロンも多く、施術によって求められるスキルも異なります。

フェイシャルケア

フェイシャルケアはお客様の顔や頭部、首、デコルテへの施術です。

顔はデリケートな部位なので、より丁寧なケアが求められます。手を使ったマッサージや美容機材を使用して、肌の美白や保湿、しわやたるみなどのエイジングケア、リラクゼーションを目的とした施術を行います。

ボディケア

ボディケアは、身体全体に対する施術です。全身の肌の美化や痩身を目的としています。

ボディケアではオイルやクリームを活用して、身体のコリをほぐしたりリンパを流したりします。身体を軽く擦って血行を促す「軽擦法」、固まった筋肉を擦りながら温める「強擦法」など、さまざまな手法があります。

脱毛

エステサロンの脱毛では、特殊な光で毛根にアプローチする「光脱毛」、ワックスを塗布して一気に剥がす「ワックス脱毛」を中心に施術を行います。

なかには、毛穴に針のように細いニードルを挿入する脱毛法をしているエステサロンもあります。また、エステ脱毛は脱毛後のスキンケアも丁寧に行うのも特徴です。

痩身

全身のボディケアのなかでも、やせることに特化した施術です。身体についた余分な脂肪を除去して、理想のラインに仕上げ、お客様の体型を整えるのこと目的とします。

痩身の施術は日々技術が進歩しており、EMS、脂肪冷却痩身、リンパマッサージとさまざまな手法があります。発汗を促して老廃物を体外に排出させるほか、脂肪やセルライトをやわらかくしてから機械で溶解、破壊を促す手法もあります。

ブライダルエステ

ブライダルエステは、花嫁になるお客様に施術する特別なエステです。ウェディングドレスを美しく着ることを目的としており、ドレスで露出する部分を中心に全身のケアを行います。

主な内容は、フェイシャル、デコルテの肌を美しく整えるほか、肩や二の腕、ウエストの引き締めといったボディラインへのアプローチ、ムダ毛のケアです。お客様の人生の晴れの日を演出するお手伝いをします。

エステティシャンならではのやりがい、大変なこと

エステティシャンは、美容に興味を持っている女性を中心に人気が高い職業です。実際に働いてみると、どのようなやりがいや大変さを感じられるのでしょうか。

エステティシャンならではのやりがい

「美しくありたい」「理想へ近づけたい」というお客様からかけられる、感謝の言葉はエスティシャンとしての大きなやりがいです。肌の調子が整ったり、体型が変化したりと、実際に目で見て分かる形で現れやすいため、施術の達成感も得やすいでしょう。

施術を受けるお客様のニーズは一人ひとり異なります。お客様としっかり向き合い、適した施術を行っていくことで、施術スキルだけでなく、どんな施術がよいのかを決める判断力も備わっていきます。

エスティシャンとしての知識や技術が身につくと、仕事としてだけでなくプライベートにも役立てることができます。職業柄、最新の美容情報に触れる機会が多く、健康管理や自分の美も追及していくことができるのもエスティシャンとしてのやりがいのひとつです。

エステティシャンとして大変なこと

エステティシャンは華やかなイメージがある一方で、実は肉体的な負担が大きいといわれています。業務のほとんどは立ち仕事であり、とくにボディラインのケアなどは力を必要とする施術も多いためです。

ときに、お客様からクレームを受けることもあります。直接対面し、肌や身体に触れるエステティシャンにとって、クレーム対応は精神的にもストレスが大きいでしょう。

エステティシャンのなかには、リピーター客の獲得に悩む方もいます。施術に満足してもらい、指名がもらえるようになるまであきらめないことが大切です。

魅力的なエステティシャンになるには

それでは、お客様のニーズに応える魅力的なエステティシャンになる方法をみていきましょう。

エステティシャンになるには、次のふたつの方法があります。それぞれにメリット、デメリットがあるので、自分に合った方法を選びましょう。

独学で学ぶ

エステティシャンになる場合、国家資格を取得する必要はありません。そのため、美容やエステに関する書籍を読んだり、協会認定校の通信講座を受けたりすれば、独学でも就業が目指せます。

エステティック業に関する民間資格を取得するのも選択肢のひとつです。代表的な協会として、以下の3つが挙げられます。

・日本エステティック機構(JEO)
JEOが主催している「エステティシャン試験制度」に合格することにより、『エステティシャン試験制度認証』を得られます。一定水準の知識と技術を有しているエステティシャンとしての証明にもなります。

・日本エステティック協会(AJESTHE)
『認定エステティシャン』『認定上級エステティシャン』『認定トータルエステティックアドバイザー』などの認定資格が得られます。協会の正会員になり、3年おきに資格の更新手続きが必要ですが、業界への認知度も高いのが特徴です。

・日本エステティック業協会(AEA)
『AEA認定エステティシャン(基礎資格)』『AEA上級認定エステティシャン(上位資格)』『AEA認定インターナショナルエステティシャン(最上位資格)』の認定資格が得られます。日本エステティック協会と同じく、美容関連への就職に役立つ資格です。

また、未経験から採用しているエステサロンに就職して、働きながら知識や技術を学ぶ方法もあります。多くのサロンでは研修制度があるので、現場で働きながらステップアップを目指しても良いでしょう。

美容スクールに通う

美容専門学校やエステティシャン養成コースがあるスクールに通って就業を目指すのも選択肢のひとつです。時間と費用がかかるものの、美容に関する幅広い知識や技能をしっかり身につけられ、役立つ資格の取得も目指せます。

卒業後の就職サポートを行っているスクールも多く、提携するエステサロンへの就業のチャンスが広がります。美容業界全体を視野に入れて就職を検討している方は、ぜひ検討してみましょう。

なお、エステティシャンになる方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。仕事に役立つ資格や適正についてもご紹介しているので、あわせてチェックしてみてください。

【エステティシャンになるには】仕事内容や資格・適性について解説!

まとめ

お客様に美を提案する華やかな業務だけでなく、裏方や雑用もエステティシャンの大事な仕事です。サロンの経営や維持に欠かせないので、しっかり学んで取り組みましょう。

エステティシャンになるには、特に資格を必要としないため、学ぶ気持ちがあれば独学で目指すことも可能です。美容スクールに通うといった選択肢もあるため、自分に合った方法でエステティシャンを目指してみてはいかがでしょうか。