美容師ならではのやりがいとは?主な仕事内容やメリット、注意点も解説

美容師は、お客様の理想を叶えるお手伝いができる魅力的な仕事です。華やかな業界に、憧れを抱き、街中でみかけるおしゃれな美容室で働きたいという方もいるのではないでしょうか。 とはいえ、輝いて見える美容師も、体力や技術が必要となる大変な仕事でもあります。美容師を目指す前に、業界理解を深めることが大切です。 そこで今回は、美容師の仕事の内容やメリット、やりがいを感じるシーン、美容師を目指す際の注意点を紹介します。


この記事は約9分で読み終わります。

美容師の主な仕事内容


美容師は、お客様の肌や髪の毛に直接触れるため、美容師法による決まりに沿って働く必要があります。ここからは、美容師の具体的な仕事内容を紹介します。

髪を綺麗に整える

美容師の仕事では、カット、パーマ、カラーリング、ヘアセットなどのヘアスタイリング全般を行います。

美容師と良く似た仕事に、「理容師」があります。もともとは、理容師は男性客を、美容師は女性客を対象としていて、美容室で 男性客のカットのみを行うのは違法とされてきました。

現在は法律が緩和され、美容室に男性が来店して自由なヘアセットを楽しむケースが増えています。とはいえ、美容師と理容師では業務の範囲が異なるので注意が必要です。

例えば、美容師が施せる顔剃りは、化粧のために必要な軽い程度のみです。逆に、理容師はマツエクができないといった法の制限があります。

髪以外の部分に関係する仕事もある

美容師は、ヘアスタイリング以外にも、さまざまな美容術を提供しています。例えば、メイクアップ、マツエク、和服の着付けやドレスのフィッティング、ヘアスタイリングとあわせたファッションのトータルコーディネートと、業務内容は多岐におよびます。

提供できるサービスは美容室の設備にもよるため、すべての美容室が上記のサービスを行っているとは限りません。

美容師の仕事内容について詳しく知りたい方は、下記の記事もチェックしてみてください。
美容師を目指す人必見!仕事内容と必要な資格・スキルを解説

美容師の仕事をしていてやりがいを感じるシーン

華やかなイメージのある美容師も下積みが必要で、大変な側面もあります。美容師の仕事のやりがいを理解して、事前に挫折しないように準備しておきましょう。

お客様から感謝されたとき

美容師の仕事で一番やりがいを実感できるのは、お客様から感謝されたときです。誰にとっても、美しく装えるのはうれしいもの。自分の手でお客様を幸せにしたと実感できるのは、美容師にとってなによりの喜びです。

希望どおりの仕上がりになると、お礼を言ってくれるお客様も珍しくありません。自然と笑顔になり、美容師へのやりがいを感じる瞬間といえます。

自分の技術力向上を実感できたとき

美容師の仕事は、成果が目に見えるのが魅力です。お客様のイメージどおりに、カットやカラーリングを施すことは困難ですが、頑張れば頑張るほど美容師としてのスキルやセンスが磨かれます。

自分のスキルでお客様の理想を叶えることができると、お客様からの良い評価にもつながり、やりがいを感じながら仕事に取り組めるのです。

お客様の特別なイベントに携われたとき

人生の節目となる大切なイベントのときに、美容室を利用されるお客様はたくさんいます。例えば、結婚式、成人式、卒業式、入学式、七五三など、お客様にとっての特別な日に、髪を整えメイクを施し綺麗に仕上げるお手伝いをできるのが美容師です。お客様の幸せな1日をつくるお手伝いができるのは、美容師ならではの醍醐味といえます。

なかには、親子2世代でご来店いただけるお客様もいます。特別な日のスタイリングは記憶に残りやすいので、満足いただければ指名やリピートにもつながります。

スタイリストになったとき

美容師になりたてのうちは、先輩スタイリストの下につき、アシスタントとして働きながら経験を積みます。下積み時代の仕事は、先輩の補助が大部分を占めており、お客様のシャンプーなどをメインにこなします。

このような下積み時代があるだけに、スタイリストとして一人前と認められたときの喜びに勝るものはありません。先輩の補助ではなく、自分でお客様のカットやカラーリング、パーマなどを担当できるようになると、やりがいを実感できます。

さらに経験を積めばアシスタントを育てる立場にもなれるため、将来の選択肢が広がります。

給料がアップしたとき

自分の技術やセンスがお金に変わるという実感は、美容師ならではの喜びです。お客様を笑顔にするだけでなく、自分自身の成長や努力が収入につながることで、美容師としてやりがいを感じられます。

特に、固定給ではなく歩合制の場合、指名客を増やすために技術やコミュニケーション能力を磨けば、それが直接収入に反映されるのです。

厚生労働省によると、美容師の平均月収は、26.4万円です。

しかし、この数値はあくまで美容師全体の平均であり、歩合制の場合は個人の実力や指名数によって大きく変動します。指名客を増やし、高い技術力をもつ美容師は、平均を上回る収入を得ることも可能です。

他の職業よりも稼げる可能性を感じたとき、仕事へのモチベーションも向上しやすくなるでしょう。

美容師の年収について知りたい方は、下記の記事もチェックしてみてください。
店長クラスの美容師の年収は?サロン勤務と独立の違いや、年収アップ方法も解説

出典:jobtag|厚生労働省「美容師

美容師の資格を活かして別業界でも活躍できたとき

美容師の資格を活かして仕事の範囲を広げることで、業界にかかわらずより多くのお客様に貢献できます。お客様から感謝されることで、美容師として大きなやりがいを感じられるでしょう。

美容師の資格があれば、カット以外にも、メイクやまつエクなどの幅広い業務に携わることが可能です。ネイリストや着付けなど、美容師としての資格に加えて他の技術や知識を習得すれば、さらに活躍の場が広がります。

また、美容師として培ったスキルは、美容業界以外でも役立つ可能性があります。例えば、ブライダル業界など、お客様を美しくする仕事であれば、これまでの経験を活かせる場面は多いでしょう。

活躍の場が広がることで、将来のキャリアプランを立てやすくなり、安心感にもつながります。美容師という枠にとらわれず、さまざまなことに挑戦できると、より一層やりがいを感じられるでしょう。

自分の施術方法がSNSなどで注目を集めたとき

現代の美容師にとって、SNSは単なる情報発信ツールにとどまらず、自己表現の場や顧客との交流の場、新たなやりがいを生み出す場として注目を集めています。

SNSを活用することで、美容師は自分の得意な施術方法や技術をSNSで広く発信し、視聴者の悩みや疑問を解決できるからです。例えば、ヘアアレンジの方法や視聴者からの質問に答えるライブ配信などを行うことで、顧客との距離を縮めて信頼関係を築くこともできます。

リアルタイムでの情報発信や、視聴者との交流は、従来の美容師の枠を超えたつながりを可能にし、やりがいを感じられるでしょう。

また、フォロワー数や視聴者、広告収入などの目に見える成果は、モチベーションを高めるきっかけになり得ます。

多くの人の目に触れ、知名度が高まれば、新たな仕事の獲得につながる可能性も広がります。SNSを駆使することで、美容師自身の可能性を大きく広げることができるといえるでしょう。

美容師ならではの仕事のメリット

やりがい以外にも、美容師の仕事にはたくさんの魅力があります。ここからは、美容師ならではのメリットや向いている人の特徴を紹介します。

ファッションのトレンドに詳しくなれる

美容室には、多くのお客様が最新のファッションを求めて来店します。そのため、美容業界はファッションや流行に敏感です。必然的に、美容師にもファッションや流行に関する知識が求められます。

ヘアスタイル以外にもトレンドのメイクや色使い、ネイルなどのファッションに最前線で触れられるため、おしゃれ好きな方に向いています。

さまざまなお客様と関われる

美容室には老若男女、さまざまなお客様が来店するため、美容師はたくさんのお客様と出会えます。会話をするなかで、新たな知識や価値観に触れ、自身の成長につながるのも美容師の魅力です。

また、美容師はお客様の緊張を解きほぐし、髪型やメイクの希望を上手に聞き出す必要があります。そのため、初対面でも自然な会話ができる方や、ヒアリング力のある方に向いています。

独立開業も可能

美容師は十分な経験を積み、資金を準備できれば独立開業できます。そのため、将来的に自分のお店をもちたいと考え、美容師を目指す方も多いのではないでしょうか。

自分自身が経営者になれば、自由な店舗運営が実現します。美容室で働くよりも収入アップが期待できるので、向上心の高い方はぜひ独立開業を目指してみましょう。

美容師を目指す上での注意点

とはいえ、美容師の仕事にも向き不向きがあります。美容師を目指す上での注意点もしっかり理解しておきましょう。

意外と体力が必要

美容師は基本的に立ち仕事です。華やかなイメージとは異なり、ある程度の体力がないと務まりません。

また、お客様のヘアスタイリングをするために長時間前屈みになる作業も珍しくなく、腰痛に悩む美容師もいます。指名が多いとうれしい反面、十分な休憩を確保できずに疲労が蓄積しやすくなります。

美容師は体力が必要な仕事であり、自己管理能力も問われる仕事だと理解しておく必要があります。

コミュニケーション能力も求められる

美容師は、お客様の理想を形にするお仕事なので、要望をしっかりとヒアリングする必要があります。カット中の何気ない会話も仕事のひとつです。そのため、初対面でも自然な会話ができるコミュニケーション能力が求められます。

なかには、お店のオーナーや先輩との上下関係が厳しい職場があるのも事実です。クセのつよい方がいる職場では、人付き合いの作法を学んでおくと安心です。

国家資格が必要

美容師は、お客様の身体に直接触れる仕事なので、美容師免許を取得する必要があります。美容師免許は国家資格です。厚生労働省が指定する美容師養成施設で必要課程を修了しないと、受験資格は得られません。

美容師を目指すなら、美容学校で学んでから資格を取得するのが近道です。美容関連の知識を基礎からしっかり学べて、確かな技術が身に付きます。美容学校のほとんどは「高等学校卒業以上」を入学資格としています。美容師を目指す場合は、美容学校への入学も考えましょう。

下記の記事では、美容師になる方法について詳しく紹介しています。興味がある方は、ぜひご覧ください。
美容師になるには?必要な資格や向いている人も紹介!

絶え間ない努力や忍耐力も必須

美容師は下積み時代が長い仕事です。国家資格を取得した後も、美容師として就職してからアシスタント期間を経て、スタイリストになるまで平均3年を要します。そのため、下積みを乗り越える忍耐力が必要です。

また、美容師として成功するには、スキルアップが欠かせません。常に技術を磨き、目標に向けて努力を続ける姿勢が大切です。指示を待っているだけでなく、自ら考え行動できる人は、スタイリスト、トップスタイリストへと着実にステップアップしていけるでしょう。

まとめ

美容師はお客様の理想を叶えるお手伝いができる仕事です。頑張れば頑張った分だけお客様から笑顔と感謝がもらえる魅力もあります。

美容師になるには技術を習得し、国家資格を取得する必要もあります。美容系の専門学校で学ぶことが、美容師になるという夢をスムーズに叶えるためには得策です。卒業後の就業サポートもあるので、美容専門学校も確認してみましょう。