美容師アシスタントの期間は何年?主な業務内容や一日の流れをご紹介

美容学校を卒業してサロンに就職すると、「美容師アシスタント」としてスタートを切るのが一般的です。アシスタント期間は、先輩について仕事を学ぶ重要な経験。とはいえ、一人前になるまでに何年かかるのか、不安を感じている方は多いのではないでしょうか。今回は美容師アシスタントのキャリアは何年必要かを解説しながら、業務内容やキャリアアップの仕方をご紹介します。


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美容師アシスタントのキャリアは何年必要?

アシスタントとは、技術が一定基準に達しておらず、スタイリストの指示で働く見習いの美容師です。国家資格を取得していても、誰もが一度はアシスタントを経験して仕事を覚えます。

店舗によるものの、美容師アシスタントとして働く平均年数は2~3年が目安です。2年でスタイリストになれるサロンもあれば、4年かかるケースもあり、美容師の数だけ道のりは異なります。

美容師資格を取得済みでも、アシスタントは担当できる業務が限られていているため、月収は低めです。アシスタント期間はスタイリストのサポート業務で忙しく、また自分自身の練習も必要なので、仕事は大変かもしれません。

ですが、アシスタント期間は仕事を覚えて、経験を積むためにも重要です。スタイリストとして活躍する将来を見据えて、前向きに仕事に取り組みましょう。

美容師アシスタントの業務内容

アシスタントの仕事は、多岐にわたります。仕事をしながら先輩スタイリストの姿を見て技術を学ぶ期間なので、指示待ちではなく、自ら臨機応変に行動することが求められます。アシスタントの主な業務内容をみていきましょう。

接客に関する仕事

美容サロンは接客業なので、お客様の対応はアシスタントの重要な仕事のひとつです。具体的には、サロンの一員として次のような業務を行います。

・お客様のお出迎え、お見送り
・電話応対
・予約の受付け、管理
・席へのご案内
・ドリンク類や雑誌の提供
・会計
・カット後の清掃
・使用後のローブ、タオルの片付け

店舗によっては、アシスタントがお客様の悩みやご希望を聞き出すカウンセリングを担当するケースもあります。

接客はお客様のニーズを読み取り、おもてなしをするのが目的です。笑顔や挨拶、アイコンタクトができるコミュニケーション能力が求められます。

施術に関する仕事

アシスタントが担当する施術は、スタイリストの技術サポートが主体です。次の施術は、アシスタントがメインで行うものの代表です。

・ヘルプ業務全般
・シャンプー
・ヘッドスパ
・トリートメント
・マッサージ

アシスタントが担当できる施術は、経験年数によって増えていきます。アシスタント1年目はシャンプーしか担当できなくても、2年目以降はスタイリストのサポートに入りながらカラー、パーマ、ブローのサポートができるようになるのが一般的です。

アシスタントは技術を学びながら仕事の幅を広げていくため、スタイリストの動向を意識しつつタイミングを読み、距離感を保ちながらサポートする姿勢が求められます。

営業に関する仕事

アシスタントは、サロンの営業活動も行います。次の業務のほか、カットモデルのスカウトなどを担当することもあります。

・チラシ配り
・ポスティング
・SNSの発信

集客や専売ブランドの販売に力を入れているサロンは多く、営業方法は多様化しています。営業力を上げると自分自身の顧客獲得につながるため、アシスタントからスタイリストにキャリアアップするにも役立つでしょう。

美容師アシスタントの一日の流れ

ここでは一例として、美容師アシスタントの一日の流れをみていきましょう。

出勤

店によってさまざまではあるものの、美容サロンの開店時間は午前10時前後です。美容師アシスタントは少し早めに、午前8時前後の出勤が多いようです。

出勤したらお客様が快適に過ごせるように店内の掃除をし、仕事がスムーズに進むように備品の補充を行います。美容サロンは、清潔感や見た目のイメージが大切です。フロア床や窓、シャンプー台や鏡といったお客様の目につく場所はもちろん、バックルームや調合室、トイレなどもていねいに掃除をする必要があります。

店内掃除が終わったら前日の復習や技術練習などをして過ごし、スタッフ全員がそろうのを待ちます。

朝の準備

午前9時前後になるとスタップ全員がそろい、朝礼が始まります。朝礼では当日の予約やお客様の情報を共有し、自分が担当する業務の内容の確認をします。

一日の仕事の流れを把握したら、営業開始の準備を始めます。

開店

午前10時にサロンが開店したあとは、振り分けられた業務をこなしながら、スタイリストのサポートにあたります。サポート業務では、スタイリストの邪魔にならないように的確に動くことが大切です。

カットでフロアに落ちた髪の毛を片付けたり、カラーやパーマなどの施術に必要なロッドを渡したりと、様子を観察しながら自発的に動く姿勢が求められます。また、先輩スタイリストの施術を見て学ぶのも仕事なので気は抜けません。

美容アシスタントは、一日中立ちっぱなしの仕事です。お客様の都合が優先されるため、忙しい土日は休憩や食事をする時間が十分に取れないこともあります。

閉店

閉店時間が近づいたら、アシスタントは店内の片付けを始めます。衛生的な観点から、シャンプー台、髪の毛、薬剤が付着した道具、お客様が使った食器類などは、当日のうちにきれいにすることが大切です。

最後のお客様を送り出してサロンを閉めたあとは、スタッフ同士でミーティングを行います。お互いの情報を共有して、翌日の営業準備もすすめておきます。

サロンの仕事が終わると、アシスタントはカットやカラーの自主的な練習を行うのが一般的です。先輩スタイリストの指導やスタッフ同士の講習会を開催するサロンは多く、アシスタントの退勤は夜遅くなりがちです。

美容師アシスタントからスタイリストとしてデビューするには?

アシスタントから一人前のスタイリストになるには、技術を身につけるのが第一です。漫然と過ごすだけでは、なかなか一人前になれません。サロンごとにアシスタント時代に習得すべきカリキュラムが設定されているため、積極的に学びましょう。

経験年数ごとに習得すべきカリキュラムの一例は、次のとおりです。

<アシスタント1年目>

・ビジネスマナー
・基本の接客法
・シャンプー技術
・トリートメント技術
・薬剤の取り扱い
・カラー塗布の仕方
・ブローテクニック
・スタイリングの基礎

<アシスタント2年目>

・パーマのかけ方
・縮毛矯正、デジタルパーマなどの特殊なパーマのかけ方
・和洋セットの基本
・カット法の基礎
・メイク法
・着付けの仕方

<アシスタント3年目>

・応用カットの仕方

アシスタントとしてのキャリアが増えるほど、サロンの難しい技術を学べるようになります。サロンによっては、項目ごとに昇級試験を実施しており、先輩方の厳しい審査に合格しないと次のステップに進めない店舗もあります。審査項目や基準はサロンごとにさまざまなので、確認しておきましょう。

サロンに就職して3年が経つからといって、自動的にスタイリストになれるわけではありません。スタイリストとして早くデビューしたい人は、アシスタント期間に積極的に学び、効率良く美容技術を磨くことが大切です。

なかには、スタイリストを早期育成するのを方針としているサロンもあります。早くスタイリストになりたい場合は、研修制度が整っているサロンを選んで就職すると良いでしょう。

まとめ

美容師の国家資格を取得しても、美容師としてのキャリアはアシスタントから始まります。何年かかるのか、具体的な業務内を理解して、スムーズなスタイリストデビューにつなげましょう。美容師はヘアスタイルを整えてお客様を美しくする、やりがいのある仕事です。おしゃれが好きな方、コミュニケーションが好きで向上心がある方は、ぜひ就業を目指してください。