セラピストがフリーランスで働く方法は?メリット・デメリットも解説

自分の店舗をもたずに、特定のサロンと業務委託契約を結んで働くフリーセラピスト。高額な独立費用をかけずに、自分らしく働けると注目されています。しかし、フリーランスになるにはどうすれば良いのかと悩んでいる方は多いのではないでしょうか。今回はフリーランスセラピストの働き方やメリット・デメリット、フリーランスになる方法を紹介します。


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フリーランスセラピストの働き方

フリーランスとは、特定のサロンに所属せずに個人で仕事を請け負う働き方のことです。

サロンで働くセラピストは、正社員として雇用されるのが一般的です。なかにはアルバイトやパート、派遣社員として働くセラピストもいます。

一方、フリーランスは雇用契約ではなく業務委託契約を交わす働き方で、給料は歩合制で支払われます。働く場所は契約先のサロンですが、勤務日や勤務時間は自分の希望に合わせて自由に設定できます。

お客様からの予約が入らないときは、講演会の講師を務めたりイベントに出演したりと、より柔軟な活動が可能です。業務委託契約なら自分の店舗を持たずにお客様を招いて施術できるため、少ない初期投資でも独立が目指せます。

フリーランスセラピストの種類

ここでは、フリーランスセラピストの種類について紹介します。

セラピストは自分が習得した専門知識・技術を駆使して、お客様の心や身体を癒やすのが仕事です。心理療法や物理療法などのアプローチの違いで、次の4種類に分類されます。

医療系セラピスト

医療系セラピストは、機能訓練やリハビリを通して、身体的な機能にトラブルを抱えているお客さまをサポートするのが仕事です。主に医療や介護の現場で需要があり、あん摩マッサージ指圧師や鍼灸師などの資格を持つセラピストもいます。

メンタル系セラピスト

メンタル系セラピストは、心理療法によってお客様の精神的な負担を軽減させるのが仕事です。臨床心理士や産業カウンセラーなどの資格が求められます。

リラクゼーションセラピスト

リラクゼーションセラピストは、アロマやマッサージ、足つぼなどの技術を使ってお客様に心と身体の癒しを提供します。リラクゼーションセラピスト2級、1級などの民間資格を所持していると役に立ちます。

美容系セラピスト

美容系セラピストは、マッサージやエステなどの施術でお客様に美と癒しを提供するのが仕事です。日本エステティック協会の民間資格を取得すると、お客様から信頼を得やすくなります。

フリーランスセラピストとして働くメリット

働き方が多様化するなか、フリーランスとして独立するセラピストはたくさんいます。フリーランスとして独立するメリットをみていきましょう。

メリット1.働き方によって収入アップに期待が持てる

フリーランスの給与は歩合制であり、努力した分だけ収入を増やせる点が魅力です。多くのサロンでは、歩合給に加えて指名手当や資格手当など、技術に応じた各種手当が支給されるため、収入アップが期待できます。

集客の成果や技術力次第では歩合率が上がる可能性もあり、やりがいがあります。

メリット2.ライフスタイルにあわせて働ける

フリーランスは、働く時間や休日を自分で決められる自由度の高さが魅力です。そのため、ライフスタイルにあわせて無理なく仕事に取り組めます。子育て中の女性でも時間の都合がつけやすく、働きやすい環境といえます。

また、雇用契約を結んでいる正社員とは異なり、サロンの雑務を任されることがほとんどありません。業務委託契約の内容次第では、自分の判断で就業時間を調整できるため、心理的な負担も軽減されます。

メリット3.支出を経費に計上して節税できる

フリーランスは個人事業主として、支出を経費に計上することで税金控除を受けられます。所得を減らして節税できるのは、大きなメリットです。

フリーランスセラピストの場合、店舗の賃貸料やホームページ作成費用、広告料、チラシや名刺の制作費など、さまざまな支出を経費として計上できます。

フリーランスセラピストとして働くデメリット

一方で、フリーランスで働くにはデメリットもあります。メリットばかりに注目していると、いざフリーランスになったあとにミスマッチが生じる可能性があるため、しっかり理解しておきましょう。

デメリット1.福利厚生が受けられない

フリーランスは雇用契約を結んでいないため、サロンで働いていても雇用保険や社会保険に加入できません。病気や怪我などで働けなくなった場合の保障が得られないことから、自身での備えが不可欠です。

さらに、フリーランスは有給休暇の保障や賞与などの特別手当も支給対象外となります。

デメリット2.収入が安定しないことがある

フリーランスの給与は歩合制で基本給の保証がなく、働き方によっては収入が変動しやすい傾向があります。祝日・休日が多い月や体調不良で働けない期間、来客数の減少時には収入が落ち込むため、計画的な貯金やリスク対策が欠かせません。

また、不安定な収入状況から、フリーランスは社会的な信用を得にくいデメリットもあります。クレジットカードやローン審査で不利になる可能性があることも理解しておきましょう。

デメリット3.本業以外の業務負担が大きい

フリーランスになると帳簿付けや税務処理を自分で行う必要が生じ、業務負担が増えます。確定申告の時期には経理や事務作業に追われ、本来の業務に専念しにくくなります。

適切な処理のためには税務関連の知識習得も欠かせず、学習時間の確保も必要です。

フリーランスセラピストのなり方

最後に、セラピストがフリーランスとして独立する手順をみていきましょう。フリーランスになってから後悔しないためには、しっかり準備して独立する必要があります。

STEP1.必要な資格を取得する

フリーランスとして独り立ちするために、必要な資格を取得しましょう。専門学校やスクールに通うほか、講習会受講で取得できる資格もあります。

セラピストとして働くのに、必須の資格はありません。しかし、フリーランスの多くは民間資格や国家資格を所持しています。

資格は、セラピストとしての専門知識や技術を有していることの証明になります。業務委託契約を結ぶサロンやお客様から信頼を得る手段にもなるため、積極的な取得を目指しましょう。

STEP2.働きながら知識や技術を磨く

フリーランスセラピストとして独立するには、十分な実力が求められます。まずは雇用されている間に、知識と技術を磨きましょう。資格習得後もスキルアップを重ねることで、サービスの質が向上し、独立への道が開けていきます。

サロンに在籍している間に経理事務について学んでおくと、フリーランスになった後の税務処理がしやすくなります。

STEP3.顧客を確保する

サロンで働いている間に人脈を作り、独立後にリピーターとなるお客様を確保しておくことも大切です。確かな技術と細やかな接客で信頼関係を築けば、固定客として継続的に来店してもらえる可能性が高まります。日々の施術やカウンセリングを通じて、お客さまとの信頼関係を築きましょう。

連絡先を交換し、LINEやメールなどで定期的に情報発信することで、独立後の活動をスムーズに伝えられます。

STEP4.独立を準備する

フリーランスとして独立する自信がついたら、業務委託先を選定し、準備を始めましょう。業務委託先は、求人サイトやフリーランス専門のマッチングサイトなどで探すことができます。また、セラピスト向けの講習会に参加して情報収集するのも効果的な方法です。

業務委託先の契約が決まったら、契約内容や報酬を確認し、契約を結びます。並行して自分の店舗を構える場合は、賃貸契約や内装工事、設備の購入などの準備が必要になります。レンタルスペースを活用して、自分のサロンを開業する方法もひとつの手です。

フリーランスは自身で集客する必要があるため、個人事業のホームページ制作や名刺・チラシの作成も計画的に進めることが大切です。

開業後は1か月以内に、最寄りの税務署へ開業届を提出しましょう。

まとめ

セラピストがサロンと業務委託契約で働くフリーランスになると、ライフスタイルにあわせた働き方ができ、収入アップも見込めます。ただし、生活が安定しなかったり雑務が増えたりするなどのリスクもあるため、入念に準備することも欠かせません。フリーランスのメリットとデメリットを理解して、無理のない独立を目指しましょう。