美容師免許の取り方は?試験の概要や合格率も解説

これからスタイリストを目指すなら、美容師免許の取得が必須です。取り方にはいくつかの種類があるため、将来的なキャリアプランも考えて自分に合う方法を選びましょう。今回は美容師免許の取り方や必要な期間、試験の難易度などを詳しくご紹介します。あわせて、仕事の幅を広げる美容関連の資格も解説しているので、ぜひ参考にしてください。


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美容師免許を取得するための条件

美容師やスタイリストとして働くには、厚生労働大臣が認定する「美容師免許」が必要です。美容師免許は美容師法に基づく国家資格で、衛生上の問題と刃物を扱う美容師の仕事の特性から、資格取得が義務付けられています。

美容師免許を取得するための条件は、次のふたつです。

・厚生労働大臣指定の「美容師養成施設」を卒業する
・美容師国家試験に合格する

それぞれを詳しく解説していきましょう。

厚生労働大臣指定の「美容師養成施設」を卒業する

美容師試験を受験するには、厚生労働省の認可を受けた「美容師養成施設」を卒業する必要があります。美容師養成施設の多くは「美容師学校」「美容専門学校」などの名称で開校しています。ただし、なかには厚生労働省の認可を受けていない学校もあるため、公益社団法人 日本理容美容教育センターの公式サイトで認可の有無を確認してください。

美容師試験の受験に、年齢制限はありません。ですが、多くの養成施設は高校卒業を入所条件にしているため、実質18歳以上からが受験対象です。中卒資格で美容師を目指す場合は、一般高校の科目と美容科目を同時に学べる高等専修学校を選ぶ必要があります。

高卒以上を対象とした美容専門学校には、次の3種類があります。通学の仕方や卒業までの期間が異なるため、自分に合う学校を探しましょう。

種類 学び方の特徴 通学期間
昼間課程 週5日平日の昼間通学する 2年間
夜間課程 週5日平日の夕方から夜間に通学する 2年以上

学校によって異なる

通信課程 自宅学習が中心

定期的に通学して対面式の授業を受けることもある

3年以上

なお、美容専門学校の受験に関しては以下の記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。

美容専門学校の入試の種類は?問題や対策も解説

参考:「養成施設一覧」(公益社団法人 日本理容美容教育センター)

美容師国家試験に合格する

美容師養成施設卒業後に国家試験を受験して、合格すれば美容師免許を取得できます。試験は年2回、例年2月と8月頃に行われます。

試験は、筆記試験と実技試験にわかれて実施されます。両方を受験する場合は25,000円、筆記か実技試験のみであれば12,500円の受験料が必要です(2023年11月現在)。

詳しい日程や受験料は、試験を開催する公益財団法人 理容師美容師試験研修センターの公式サイトで確認してください。

合格後は免許申請をし、美容師名簿に登録されると美容師として働けるようになります。合格通知書と一緒に申請手続きの案内が届くため、内容を確認して早めに免許申請をしましょう。

美容師免許の申請手続きには、次の書類の提出が必要です。

・免許申請書
・6ヶ月以内に発行された戸籍抄(謄)本か本籍記載の住民票
・精神機能の障害に関する医師の診断書
・登録免許税9,000円分の収入印紙
・登録事務手数料5,200円を納付した受領証

美容師免許に更新はなく、一生物の資格です。氏名を変更した場合はその都度届け出をして、免許証を最新の情報に更新しましょう。

参考:「試験について」(公益財団法人 理容師美容師試験研修センター)

美容師免許取得までにかかる期間

美容師免許を取得するまでにかかる期間は、養成施設に入所してから最短で2年1ヶ月です。免許申請には、1ヶ月程度の時間がかかると考えてください。

2年制の美容専門学校に通う場合は最終学年在学中の2月に実技試験を、3月に筆記試験を受けます。3月末に試験の合格発表があり、順調にいけば免許を取得してから就職できます。

美容師免許取得にかかる費用の目安

美容師免許の取得にかかる費用の大半は、美容専門学校の学費です。授業料、教材費、実習費、施設費、学生諸費などが含まれており、課程によってさまざまです。学費の目安は、次を参考にしてください。

・昼間課程:200~300万円
・夜間課程:150~200万円
・通信課程:50~70万円

奨学金制度を設けている学校もあるため、努力すれば学費の負担を減らしつつ資格取得が目指せます。資格取得支援で学費をサポートしているサロンもあり、無資格のアシスタントとして働きながら、夜間過程や通信課程で学ぶ選択肢もあります。

美容師免許国家試験の概要

美容師免許を取得するには、実技試験と筆記試験の両方に合格する必要があります。前回どちらかに合格していれば、次回のみ筆記、実技試験のいずれかが免除になるため、あきらめずに挑戦しましょう。

実技試験の出題内容と合格基準

モデルウィッグを使用して、カッティングとオールウェーブセッティングの2つの基礎課題を実演します。試験時間は1つの課題につき30分前後で、衛生上の取り扱い状況まで含めて審査されます。採点は減点方式で、下記が合格ラインです。

・カッティングの減点が30点以下
・ワインディングかオールウェーブセッティングの減点が30点以下
・衛生上の取り扱いにおける減点が20点以下

筆記試験の出題内容と合格基準

筆記試験は4択のマークシート方式で行われ、試験時間は1時間40分です。次の7科目から55問が出題されます。

・関係法規・制度
・衛生管理
・保健
・香粧品化学
・文化論
・理容技術理論(美容技術理論)
・運営管理

採点は加点方式で、全科目で無得点がなく、60%以上の正答率が合格ラインです。筆記試験の過去問は、公益社団法人 理容師美容師試験研修センターの公式サイトからダウンロードできます。

参考:「試験について」(公益財団法人 理容師美容師試験研修センター)

美容師免許の難易度

美容師国家試験の合格率は50~90%です。時期によってバラつきがあり、夏の試験は例年50~60%程度なのに対して、冬は80~90%と合格率が高い傾向があります。冬の試験を受けるのは大部分が学校卒業を控えた学生で、十分な試験対策が取られているからです。

数字だけを見ると合格率は高いものの、美容師免許は難易度が低い資格ではありません。合格率が30%を下回る年もあるため、しっかり勉強する必要があります。

美容師免許以外に仕事に役立つおすすめの資格

美容師の就職先は美容院、ヘアサロン、結婚式場、フォトスタジオとさまざまです。仕事の幅を広げるなら、美容師免許以外の資格にも目を向ける必要があります。仕事に役立つ美容関連の資格をみていきましょう。

管理美容師免許

管理美容師免許は、独立する際に役立つ資格です。店舗の衛生管理に必要で、美容師法では、2名以上の美容師が働くサロン経営で資格者を置くよう定められています。

管理美容師の資格は講習会の受講と修了で取得できます。受講するには美容師免許取得後3年以上の実務経験が必要なので、確認して申し込んでください。

着付け技能検定

着付け技能検定は、和服の着付けに関する知識と技術を証明する資格です。国家検定制度のひとつで、検定試験に合格すると「着付け技能士」を名乗れます。

現代では日常的に着る機会が減っているものの、和服は入学式、卒業式、結婚式などでは欠かせない伝統衣装です。冠婚葬祭のほか、外国人旅行者のインバウンド需要で浴衣や着物を着付ける仕事が増えているので、資格があれば集客に役立ちます。

訪問福祉理美容師

訪問福祉理美容師は、お客様のご自宅や介護福祉施設を訪問して施術を行う際に必要とされる資格です。病気療養中のお客様や老人福祉施設の入所者を対象に、安全で快適な施術ができる知識、技能があることを証明します。

訪問福祉理美容師は講習会を受講すれば取得できる資格です。美容師免許があれば誰でも受講でき、フリーランスで働くときにも役立ちます。

まとめ

美容師免許を取得するには、厚生労働省が認める美容師養成施設を卒業する必要があります。美容専門学校には昼間課程や夜間課程、通信課程の3種類があり、それぞれ在籍期間や費用が異なるため、最も自分に合ったコースで試験合格を目指すのがおすすめです。一流を目指すなら、確かな技術や理論が学べる美容専門学校を選びましょう。