美容師は休みが少ない?日数や休日の過ごし方を解説

職業を決めるときには、給料や待遇だけでなく休日の日数も気になります。好きな仕事に打ち込むためには休日にしっかり休んで、プライベートを充実させることが大切です。今回は、美容師の休日や休みの取り方、過ごし方を詳しく解説いたします。あわせて、休みを取りやすいサロン選びのポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。


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【休みはいつ?有給は?】美容師のリアルな休日事情


まずは、実際に美容師の休日について解説していきましょう。

美容師の休みは月6~7日程度が一般的

働く美容院やサロンによる違いはあるものの、美容師の働き方は週1日、隔週でもう1日休みになるのが一般的です。週1~2日、月換算の休日は平均6~7日と考えると良いでしょう。

単純に年換算すると休日が少ない気がするものの、年末年始や大型連休もあるため、極端に休みが少ないわけではありません。労働基準法で定められている年間休日105日はしっかり守られています。

労働基準法では1日の労働時間は8時間と規定されており、美容師も1週間の労働時間が40時間を超えないように考慮されています。働き方の見直しで完全週休二日制やリフレッシュ休暇を導入するサロンも増えていて、働きやすい環境が整ってきています。

美容師の休みは月曜日か火曜日

美容室やサロンのほとんどは土日祝が営業日で、定休日は月曜日です。関東の一部地域では、火曜日が定休日のサロンもあります。

サロンのほとんどが月曜日か火曜日を定休日とする理由には、歴史的な背景が関係しています。当時、パーマをかけるには、大量の電力を使用して髪の毛を電気で加熱する必要がありました。第二次世界大戦前後の日本では、燃料不足から電力の供給が追いつかず、電気を使用するのに制限が設けられていたのです。

また、電力供給が安定しない状況が続いたため、休電日を設定して計画的に電気を止めなければなりませんでした。

月曜日が休電日として決められていたため、美容室もその日に休むようになったといわれています。現在では、休電日はなくなりましたが、月曜日や火曜日を定休日にする習慣が残っているところが多いのです。

ほかにも、お客様が土日に多く来店することも、美容院の休日に影響を与えています。週末に髪の毛を整えてから翌週を迎えたいと考える方が多く、土日が混雑することから、翌日のお客様が少ない日を定休日にするようになったようです。

このように、美容師にとって土日祝は繁忙期となるため、休みが取りづらい傾向にあります。お盆や大型連休期間もお客様が集中するため、周りの人とは日程をずらして休暇をとることが多いようです。

とはいえ、新たな顧客拡大や働き方の影響もあり、最近は月曜日や火曜日に営業し、土日に定休をとるサロンも増えています。

休日にサロンワークを行うこともある

美容師は国家資格を取得していても、最初はアシスタントとして働くのが一般的です。アシスタントはいわば修行期間で、休日にサロンワークやレッスンが開催されることもあります。

アシスタントは先輩方の姿を見て仕事の仕方を学ぶ必要があり、休みを取りにくいかもしれません。ですが、サロンワークで学ぶスキルは、将来トップスタイリストとして活躍するときに役立ちます。

なお、アシスタントの仕事の内容については、下記の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

美容師アシスタントの仕事内容は?スタイリストになるまでの道のりとは

有給休暇のとりやすさはサロンによってさまざま

美容師も有給休暇を取得できるものの、休みの取りやすさはサロンによってさまざまです。スタッフが少ないサロンは、人手不足から休みを取りにくい傾向があります。特に、土日はサロンにとって稼ぎ時なので、希望通りに休めるとは限りません。

とはいえ、休みは疲労回復、リフレッシュのためにも必要です。現在は労働基準法の改正で有給休暇の取得が義務化されているので、仕事もプライベートも両立させることも可能です。

美容師の平日休みのメリット4つ

土日が仕事で平日休みだと、友人や家族と休みが合わない、連休が取りにくい、休日気分を味わいにくいなどのマイナスイメージを抱く方は多いのではないでしょうか。

ただし、平日休みには次のメリットがあります。

・銀行や行政の手続きができる
・病院や美容院の予約がとりやすい
・混雑を気にせず休日を楽しめる
・旅行費用が安い

美容師の平日休みのメリットを詳しく解説していきましょう。

1.銀行や行政の手続きができる

平日が休みだと、日常の細々とした手続きがしやすくなります。銀行や市役所、区役所のように、平日しか開いていない窓口はたくさんあります。平日休みであればわざわざ仕事を休む必要はありません。

土日の開庁サービスがあっても混雑するため、平日のほうがスムーズに手続きできるメリットがあります。

2.病院や美容院の予約がとりやすい

生活する上で欠かせない病院や美容院は、土日にお客様が集中します。平日なら比較的予約が取りやすいので、待たずにサービスを受けることができ便利です。

土日に予約を取ろうとすると何週間も待たされるものの、平日なら当日でも予約なしでサービスが受けられることもあります。

3.混雑を気にせず休日を楽しめる

テーマパークや博物館などの人気のスポットは、平日の方が空いています。行列に並ばずに休日を満喫できるのは、平日休みの大きなメリットです。平日限定ランチ、セールなどもお得に利用できます。

4.旅行費用が安い

平日休みはまとまった休日が取りにくく、長期旅行に出かけにくいものの、逆に短期の旅行であれば費用が安く済むメリットがあります。ホテルや旅館の宿泊代金、交通費などは平日の方が安いためです。

平日であれば予約も取りやすく、グレードの高い部屋でもリーズナブルに泊まれるチャンスです。三連休と比較して、数万円安く旅行が楽しめるケースもあります。

美容師の休日の過ごし方

ここからは、代表的な美容師の休日の過ごし方をみていきましょう。

・スキルアップをする
・最新のトレンドを研究する
・美の感性を磨く
・ゆっくり休む

休日を上手に活用して学び、経験したことを仕事に活かしたり、プライベートを充実させて英気を養ったりと過ごし方はさまざまです。

スキルアップをする

多くの美容師が休日に取り組んでいるのが、スキルアップです。美容関連の知識や技能は、日々進化しています。普段は仕事で忙しいため、休日に講習会や撮影会などに参加して学ぶ美容師はたくさんいます。

美容関連の知識以外に、お客様と円滑なコミュニケーションをとるための一般常識や接客マナー講座も仕事の役に立つでしょう。学ぶことで仕事のモチベーションが上がる効果も期待できます。

最新のトレンドを研究する

美容師は流行に敏感になる必要があるため、最新のトレンドを体感しに街に出かける方も多いです。買い物に出かける、街中でファッションチェックをするだけでも勉強になります。流行りの最新カフェに出かけてお茶を飲むのもお客様との会話のネタになり、仕事に役立ちます。

一方、外出せずにSNSで最新のトレンドを収集するのもおすすめです。

美の感性を磨く

美術館や観劇、映画鑑賞などに出かけて美の感性を磨くのも、美容師に多い休日の過ごし方のひとつです。美しいものをみると良い学びにつながり、刺激を受けるとインスピレーションがわきます。

ゆっくり休む

休日にしっかり寝て気力、体力の回復に努めることも大切です。仕事から完全に離れて趣味に打ち込むのも、生活にメリハリがでてモチベーションアップにつながります。

美容師としてお客様のお手本になるように自分自身のメンテナンスをして、身だしなみをきちんと保つのも休日の過ごし方としておすすめです。

美容師が休みを取りやすいサロンを選ぶポイント

美容師はほかの業種と比べて休みが少ない傾向があるため、プライベートを重視して働きたい場合はしっかりサロンを選ぶ必要があります。

休みやすいサロン選びのポイントは、次の通りです。

・年間休日日数や有給取得率を確認する
・スタッフが多いサロンを選ぶ
・シフト制のサロンを選ぶ
・完全予約制のサロンを選ぶ
・働き方を見直す

休みが取りやすいサロンなら、長く働けます。給料や待遇だけでなく、年間休日数や有給取得率にも注目して就業先を選んでください。

年間休日日数や有給取得率を確認する

希望するサロンを選ぶために、年間通してどのくらい休めるのか、有給休暇の取得率と合わせて事前に確認しておきましょう。年間休日日数が多い美容院であれば、仕事とプライベートのバランスを取りながら働くことができるはずです。

また、結婚や出産を考えているのであれば、産休や育児休暇制度があるかどうかの確認もチェックしておくと安心です。

とはいえ、有給休暇の取得率は求人票ではわかりにくいため、面接時に口頭で質問することをおすすめします。思ったよりも取得率が低かった場合は、有給休暇を取りにくい職場だと予測できるからです。

この部分は実際に働いてみないとわからないことが多いので、聞きにくい話題ですが面接時にしっかりと確認しておくことが大切です。

スタッフが多いサロンを選ぶ

休みをしっかり取りたい場合は、スタッフ数が多いサロンがおすすめです。人数が足りていれば休みを取っても補充がきくため、融通が利きます。人手不足のサロンで離職者がでると休めなくなるものの、十分なスタッフがいるサロンなら土日祝日も休める可能性があります。

シフト制のサロンを選ぶ

希望日に休みたい場合は、シフト制を導入しているサロンを選びましょう。定休日が固定されないため、比較的休みを取りやすい傾向があります。とはいえ、お客様が集中する繁忙期や大型連休はスタッフ内で調整が必要です。

完全予約制のサロンを選ぶ

完全予約制のサロンは飛び込みのお客様を受け付けていないため、比較的ゆったりとした働き方ができます。当日必要なスタッフだけの配置で良く、前もってすりあわせをしておけば希望日に休暇を取得できます。

働き方を見直す

サロンを選ぶのではなく、働き方を選ぶのも選択肢のひとつです。パート勤務やフリーランスなど、さまざまな勤務形態から選べるので、自分の希望に合った働き方を探しましょう。

パートの美容師

妊娠や出産、育児など、プライベートの変化にともない、フルタイムでの勤務が厳しくなった方は、パートの美容師を選択するのもひとつの方法です。

パートであれば働く時間をある程度選べるため、休日も取りやすくなります。家事や育児の時間も取れ、ゆとりができ、無理なく働き続けることができます。

フリーランス美容師

フリーランスの美容師になると、基本的に自由に休日を設定できるため、曜日に関係なく休めます。フリーランスの働き方は主に2パターンあり、それぞれの特徴は下記の通りです。

・面貸し:サロンの一部のスペースを借りて自分のお客様の施術を行う
・業務委託:サロンと契約した上で、施術の回数などによって報酬が支払われる

このふたつの大きな違いは、営業の有無です。面貸しはいちから集客する必要がありますが、業務委託はリピーターや美容室に来店した新規のお客様の対応も任せてもらえます。フリーランスの働き方は月給制ではなく報酬制のため、自分の裁量で働く時間や日数を決められます。

訪問美容師

訪問美容師とは、病気や障害などさまざまな事情で美容室に行けないお客様のために、自宅や病院、施設に訪れて施術をする美容師のことです。施術内容はカットやシャンプー、カラーなど、一般的なサービスは美容院と同様に行えます。

訪問美容師はお客様から依頼があったときだけ稼働するため、空いた時間を有効活用できるメリットがあります。また、高齢化が進み、在宅医療のニーズが高まる現代では、訪問美容師の需要も増えつつあるようです。

独立開業

独立開業すれば、自分で営業日を設定することが可能なため、土日休みやプライベートの時間を確保しやすくなります。スタッフを雇わず一人で運営すれば、予約の状況に応じて柔軟にスケジュールを調整できるのも魅力です。軌道に乗れば、収入の大幅アップも見込めるでしょう。

しかし、自由な働き方と高収入が期待できる一方で、経営に関する知識や初期費用などが必要です。そのため、サロンでの勤務を経験しておくことをおすすめします。

また、美容技術の向上だけでなく、お客様のニーズに合わせて満足度の高いサービスを提供するための基盤となります。さまざまな経験を積むことで、独立後の安定した運営につながるでしょう。

まとめ

美容師は、お客様を美しくするのが第一のサービス業です。土日祝は美容師にとって稼ぎ時となるため、一般的な会社員のように土日が休みになるとは限りません。休みの日もスキルアップを意識する必要があり、大変ではあるものの、そのぶんやりがいのある仕事です。平日休みのメリットもたくさんあるので、ぜひ前向きに美容師を目指してください。