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エステサロンは「美を追求する場所」
混同されやすいものの、エステサロンとスパは目的が異なる施設です。仕事内容やスタッフに求められるスキルにも差があるため、ふたつの違いを正しく理解しておきましょう。
エステサロンは、お客様に美容を提供する施設です。手技、化粧品、美容機器などを用いて、お客様の身体を美しくする施術や指導を行っています。具体的な仕事内容やエステティシャンに求められるスキルをご紹介します。
エステサロンでの仕事内容
エステサロンでは、お客様の外見を美しく整えるために、以下のような施術を行います。
・脱毛：ワックスや光脱毛器などをつかってムダ毛を処理する
・スキンケア：ニキビの改善や美白などを目的に肌を整える
・痩身：手技や美容器材で美しいラインに仕上げ、体型を整える
エステサロンの施術は、美容に特化しています。そのため、エステサロンで働くスタッフは「エステティシャン」と呼ばれるのが一般的です。
エステティシャンになるのに、国家資格のような公的な資格は必要ありません。美容専門学校で知識や理論、技 術を学んでから入社するほか、未経験でもエステサロンに採用されれば 、経験を積みながらエステティシャンとして働くことができます。
エステサロンの中には、資格取得のサポートや研修制度が充実しているところもあるため、働きながら学ぶことも可能です。
エステティシャンに求められる能力
エステサロンで働くエステティシャンには、次の能力やスキルが求められます。
コミュニケーション力
エステサロンはお客様に美容を提供するサービス業です。お客様と良い信頼関係を構築し、満足のいくサービスを提供するためにも、コミュニケーション能力は欠かせません。丁寧な接客や言葉遣い、お客様に寄り添うおもてなしの心が求められます。
エステサロンでは、エステティシャンがお客様と会話をしながら要望を聞き出し、ニーズに合った施術をするのが基本です。そのため、お客様から美容に関する悩みを聞き出す傾聴力も必須のスキルとされています。
提案力
エステサロンには、さまざまな美容メニューがあります。どのメニューを選ぶべきか迷っているお客様もいるため、エステティシャンには提案力も欠かせません。お客様の悩みをしっかり聞き、最も適切なメニューを提案する能力が求められます。
お客様が希望する施術が、必ずしもご本人の肌や身体に合っているとは限りません。エステティシャンは要望を聞きながら、お客様に正しいアドバイスをし、最適なメニューに導いていくことが大切です。
美意識の高さ
美を追求するエステサロンで働くスタッフには、美に関するさまざまな情報や最新の知識が求められます。お客様に提供できる施術の内容を説明し、最適なメニューを提案できるのも、確かな知識や理論があるからこそです。
美容関連の施術は日々進歩し、流行は移り変わっています。エステティシャンは常に最新の情報を知っておく必要があり、専門知識や技術向上のための勉強に前向きに取り組む姿勢が求められます。
スパは「癒やしを与える場所」
お客様に美容を提供するエステサロンに対し、スパでは、お客様に癒しを与えるのを目的としています。
スパという名称は、「水による健康」を意味するラテン語に由来しています。 そのため、日本では温泉や温浴施設と結びついているのが一般的です。プールのあるスポーツ施設、食事やショッピングも楽しめる複合的なリゾート施設、高級なホテルに併設されたスパもあります。
ここからは、スパの具体的な仕事内容やエステティシャンに求められるスキルをみていきましょう。
スパの仕事内容
スパでは、お客様の心身を整えるのを目的に、温泉や水に関連する次の施術を行っています。
・温泉：温浴施設や足湯で体を温め、代謝や循環を促す
・スチームサウナ：蒸気を使ったサウナで体を温め、活性化を促す
・アロマ：リラックスに誘うエッセンシャルオイルや手技で疲労回復を促す
最新の美容機器を活用して外見の美しさにアプローチするエステとは異なり、スパではお客様を癒すのに重点を置いているのが特徴です。施術もリラックス効果や自然治癒力を高めることに特化しており、スパのスタッフは「セラピスト」と呼ばれるのが一般的です。
エステサロンと同様に、スパで働く上で特別な資格は必要ありません。
しかし、一般的なエステサロンと同様に、マッサージなどの手技を使ったメニューを取り入れているスパはたくさんあります。セラピストも美容関連の資格を取得しておけば、信頼や評価を得やすいでしょう。
セラピストに求められる能力
スパで働くセラピストに求められる能力やスキルについてご紹介します。
安心感を与えられる
スパでは癒しの提供を目的としているため、セラピストにもお客様を癒す気持ちが求められます。お客様に安心感を与える笑顔、穏やかな声、やさしさにあふれる雰囲気で接する必要があるでしょう。
とくに、はじめて来店されるお客様は緊張しています。何気ない会話で安心感を与えられるとお客様が心からリラックスでき、サービスの満足度が向上します。
コミュニケーション力
セラピストも施術をしながらお客様と会話をしたり、身体に関する悩みを聞いたりするため、コミュニケーション能力が欠かせません。会話を通してリラックスできるお客様もいるので、話しやすい雰囲気づくりも大切です。
また、セラピストとのなごやかな会話も、お客様にとっての癒しになるときがあります。お客様の気持ちをくみ取るためにも、コミュニケーション力を磨く必要があります。
体力
セラピストはお客様へのマッサージなどに力を使うため、体力が必要です。長時間施術を続けることもあり、1日に何人ものお客様のマッサージをすると疲労が溜まりやすいです。
また、セラピストは基本的に立ち仕事が多い傾向にあります。1時間、2時間立ちっぱなしのコースもあり、体力がないとなかなか続きません。
エステサロンとスパ、どちらで働くのが向いている？
エステサロンとスパでは、施術の目的やメニューが異なります。とはいえ、心身のリラックスが身体を美しく磨き上げるといった共通点もあり、どちらを選ぶかは難しい問題です。
迷ったときは次を参考に、自分がどんなサービスに喜びを感じるのかを考えていきましょう。
美容に関心があるなら、エステサロンで働くのがおすすめ
美白、スキンケア、脱毛、痩身といった美容ケアに関心があるなら、エステサロンがおすすめです。エステは外見の美しさを高めるのが仕事なので、美容の技術を磨きたい方に向いています。
技術力を磨けばリピーターが増える可能性が高く、やりがいがある仕事です。流行に敏感な方、自分自身がキレイになりたい方も、ぜひ就業を目指してください。
癒やしに関心があるなら、スパで働くのがおすすめ
癒しに興味がある方は、セラピストに向いています。スパではリラクゼーションを踏まえた施術を提供しているため、心理カウンセリングやメンタルケアも含めた癒やしの仕事がしたい方におすすめです。
アロマやヨガなどもスパのメニューに取り入れられているケースも多く、さまざまな資格を取得すれば、仕事の幅が広がるでしょう。
まとめ
エステティシャンが活躍する職場でも、美を追究するのを目的としたエステサロンと癒しを与えるスパとでは、仕事の内容や適性に大きな違いがあります。ふたつの違いを正しく理解して、自分が向いている職場を選んでください。
エステティシャンとしてのキャリアも視野に入れて、なりたい自分を目指しましょう。