Contents
【1級・2級・3級別】ネイリスト検定の概要と合格率
一般的に「ネイリスト検定」と呼ばれているのは、公益財団法人 日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)が主催する検定試験です。正式名称は「ネイリスト技能検定試験」で、求めるレベルに応じて1級・2級・3級の種別が設けられています。
JNECの検定は、ネイリストとしての正しい技術の習得と、知識の向上を目的としており、筆記試験と実技試験の両方があります。
ここからは、JNECの公表データをもとに各級のレベルや合格率を見ていきましょう。
出典:公益財団法人 日本ネイリスト検定試験センター「ネイリスト技能検定試験とは」
ネイリスト検定3級の合格率と合格ライン
3級はネイリストのベーシックな資格です。試験では、ネイルケアやネイルアートの基礎的な知識、技能を習得しているかを判断します。
3級の合格率は、2024年秋期までの累計で約85%です。年度や回によって多少のばらつきはあるものの、それほど難易度が高い試験ではありません。
筆記試験はマークシート方式で行われ、100問中80点以上が合格ラインです。実技試験は50点満点で減点方式を採用しており、ネイルケア・カラーリング・ネイルアートの課題で失格対象になる行為をせずに38点以上の得点を取れば合格とされます。
3級はネイリストの登竜門となる資格です。飛び級は認められず、3級に合格しないとその上の2級や1級は受験できないため、確実なステップアップを目指しましょう。
ネイリスト検定2級の合格率と合格ライン
2級は、サロンで働くプロフェッショナルのネイリストを示す資格です。学ぶ範囲も広がり、ネイルケア・ネイルアート・リペア・チップ&ラップに関する知識や技能などが審査されます。
2級の合格率は、2024年秋期までの累計で約44%です。3級と比べると難易度が上がり、合格するのが難しくなります。
筆記試験は3級同様、100問中80点以上が合格ラインです。実技試験は50点満点の減点方式で38点以上が合格ラインですが、3級の課題にチップ&ラップの実技が加わり難しくなります。
2級は、サロンワークで通用する資格です。採用基準に2級以上の条件をあげているサロンもあるため、前向きに取得を目指しましょう。
ネイリスト検定1級の合格率と合格ライン
1級は、トップレベルの総合プロネイリストであることを示す資格です。合格するには、イクステンション・リペア・ネイルアートなどの、総合的な技能や知識の習得が求められます。
1級の合格率は、2024年秋期までの累計で約40%です。受験者の半分は不合格になる可能性があり、繰り返し受験して資格を得る方もいます。
筆記試験は100問中80点以上、減点方式の実技試験は50点中38点以上が合格ラインです。実技試験ではサンディングを施してからネイルイクステンション7本、ミックスメディアアート1本を150分以内に仕上げなくてはいけません。
ネイリスト検定は独学でも合格できる?
ネイリスト検定3級は、ネイルの基礎をしっかり身につければ、独学でも十分に合格を目指せる資格です。一般的に3か月程度の試験勉強が必要とされているため、自分で計画を立ててコツコツと知識と技能を身につけていきましょう。
もし独学に不安がある場合は、ネイルスクールや美容系の専門学校で学ぶ選択肢もあります。特に、難易度が高い2級や1級を受験する際は、プロの講師から直接学べる環境がおすすめです。
専門学校では、サロンワークに役立つ実践的な技術や知識を学べるのがメリットです。検定対策講座や試験前対策、受験のアドバイスに取り組む学校もあり、より合格を目指しやすくなるでしょう。
検定試験は独学でも専門学校でも受験可能です。費用や学習方法に違いがあるため、自分のライフスタイルや目的に合った方法を選んでください。
ネイリスト検定に合格するメリット
JNECの検定は国家資格ではなく、合格しなくてもネイリストとして働けます。しかし、合格すれば仕事に役立つさまざまなメリットが期待できるため、前向きに資格取得を目指してください。
ここでは、資格取得のメリットを見ていきましょう。
メリット1.技術と知識が身につき自信がもてる
勉強は大変ですが、しっかり学ぶと爪や手指の正しいケアの仕方を習得でき、仕事に役立ちます。爪の構造や病気、トラブル時の対処法も出題されるため、トラブル発生を防げてサロンでの施術に自信がもてるでしょう。
検定の実技試験は、実践的な内容で出題されます。繰り返し練習すればスピーディな施術ができるようになり、仕事に反映できるメリットがあります。
メリット2.お客様からの信頼を得られる
資格を取得するとお客様からの信頼を得やすくなり、集客にもつながります。
検定の合格証書は、ネイリストとしての知識・技術を習得していることの証明として周囲に提示できます。広告やSNSにも資格の旨を記載すれば、サロンの新規顧客獲得にも貢献できるでしょう。
メリット3.働き方が広がる
資格は履歴書にも記載でき、就活する際に有利に働きます。即戦力となる資格者を求めているサロンは多いため、転職でステップアップも可能です。
資格があれば将来的な独立を目指せるのもメリットのひとつです。オーナーとして開業するほか、業務委託や訪問型など選択肢もあり、働き方が広がります。
ネイリスト検定合格を目指す勉強法
ここからは、合格を目指せる学習の仕方を紹介しましょう。
JNECのネイリスト検定は年4回、夏期・秋期・冬期・春期に開催されます。ただし、1級については秋期と春期の年2回のみとなるため注意してください。
なお、各級や年度によって試験要項が異なります。詳細な日程や会場は、事前にJNECの公式サイトで確認してください。
出典:公益財団法人 日本ネイリスト検定試験センター「ネイリスト技能検定試験とは」
ネイリスト検定3級の勉強法
検定の筆記試験の問題は、すべて公式問題集から出題されます。JNEC公式サイトから購入して、実際に問題を解いて覚えるのが合格につながるポイントです。
実技試験は減点方式なので、日頃から繰り返し練習してミスを減らすのが第一です。制限時間を意識して、確実に課題を仕上げるよう練習してください。試験要項をしっかり読み込み、失格になる行為や減点対象を理解しておきましょう。
出典:公益財団法人 日本ネイリスト検定試験センター「筆記試験公式問題集」
ネイリスト検定2級の勉強法
2級は筆記試験の出題範囲が広いため、公式問題集に早めに取り組む必要があります。1回だけではなく、繰り返し問題を解いて出題傾向を把握しましょう。
実技試験は課題にチップ&ラップが加わり、時間配分でミスをしやすい傾向があります。タイマーを使用し、本番を意識して練習してください。ミスを防ぐには要項の細かい部分まで熟読し、ルールをしっかり頭に入れておく必要があります。
ネイリスト検定1級の勉強法
1級の筆記試験では、爪や化粧品に対する高度で総合的な知識が求められます。公式問題集で基礎からまんべんなく学びましょう。すでに合格済みの3級や2級の範囲も学び直して、知識の抜け・漏れをなくすことが大切です。
実技試験の難易度は高いため、早めに課題を確認して練習に取り組む必要があります。試験時間内に確実に課題が仕上がるよう、手際良く進行する技術を身につけるのが合格につながるポイントです。
最後に見直しできるよう時間配分を意識し、本番同様に練習しましょう。
まとめ
ネイリスト検定に合格すると、ネイルの正しい技術と知識を習得していることを証明できます。3級は計画的に取り組めば独学でも合格を目指せますが、より難易度の高い2級・1級の学習には、美容専門学校への進学も検討してください。ステップアップして1級を取得すれば、トップレベルのネイリストとして認められます。
ネイリストの仕事に役立つその他の資格は、下記の記事で詳しく解説しています。ネイリストになる方法も紹介しているため、将来の仕事探しの参考にチェックしておきましょう。
「ネイリストになるには5通りの方法がある!役立つ資格も徹底解説」